私は外国人に対するツアーガイドも行っています。 そして先日、スイスからのお客様からガイドの依頼がありました。 祖谷を散策しながら紅葉の写真を撮りたいとのご要望です。
で、思いました。 「あの赤く紅葉した木は何か?」、「こちらの黄色い方は何か?」。 そんな質問を受けながら歩くんだろうなぁ。
しかし私が知ってる英語はMapleくらい。 それ以外の木の名前は英語で言えません。 困った。。。

そう考えているうちにあることに気づきます。 ん? 日本語でも答えられないぞ。 これは英語力の問題ではなさそう。 と言うか、英語力と紅葉知識の2つの問題がありそう。
私が紅葉を見て説明できるのはモミジとイチョウくらい。 加えてウルシまでなら何とかなるとして、それ以外は十把一絡げ。 すべて「ドングリの木ですかねぇ?」みたいなやりとりになりそうです。
さて困った。 そう考えているうちに妙案が浮かびます。 紅葉する木の写真を英語名付きで印刷しておくのです。 そうすれば「これ」と写真を指差すだけで済みます。
これはいい。 早速ネットで調べます。
しかし出てくる木は高山植物や園芸品種ばかり。 ナナカマド、ダケカンバ、ドウダンツツジ、ハナミズキ。。。 そんな木はガイドする散策ルートにはありません。 再び暗礁に乗り上げます。
う~ん、これは実際にルートを歩いてみるしかない。 私には植物判定アプリと言う心強い味方もいるし。
そう思った私はフィールドワークに出かけます。 そしてビックリ! 意外な事実に行き当たります(私が知らなかっただけだと思いますが)。 ケヤキの紅葉って大変綺麗だったんですね。

上がその証拠写真です。 色づいているのはすべてケヤキです。 同じケヤキなのに色がすべて違います!
調べてみました。 ケヤキは個体によって色が異なるそうです。 赤、橙、黄。。。 生えている場所や気象条件の影響ではありません。 その個体が持つ遺伝子によるそうです。 人間の肌や髪の色と同じですね。
なるほど。 だから同じ場所なのに、こんなに色が多様なのか。 すばらしい。

それにしてもケヤキの木。 昔からその樹形の美しさに何となく惹かれてはいました。 しかも大きい。 胸がすく思いで何度見上げたことか。 ケヤキの存在が私の心の中でどんどん膨れ上がっていきます。
そういえば、木に囲まれたおしゃれなレストラン。 大きなガラス窓越しにケヤキの木を眺めたこともありました。 木漏れ日の中、心地良い時間を過ごしたことが思い出されます。
祖谷でもそうです。 窓越しに自生したケヤキの木。 そんな風景が見える親戚の家があります。 まるで絵画のようです。 う~ん、癒される。 お経の時間、私は窓の外ばかり眺めていました。

そんなケヤキだから、町でも街路樹や公園など色々な場所で親しまれているようです。
代表格は、青山・表参道のケヤキ並木、六本木のケヤキ坂通り、渋谷・道玄坂や宮益坂のケヤキ並木、と言ったところでしょうか? なにやらおしゃれなところばかりです。
それもそのはず。 春は新緑、夏は木陰、秋は紅葉、冬は木漏れ日。
一年に渡っておしゃれな空間を私たちに提供してくれます。
そんなケヤキの木、祖谷のあちこちに自生しています。 何となくは知っていましたが、何となくしか知りませんでした。 今後は意識して観察し、もっとケヤキに向き合っていきたいと思います。
スイス人からのガイド依頼をきっかけに、ケヤキのファンになってしまった私でした。
※この記事はウィキペディア並びに下記サイトの記事を参考に作成しています
ケヤキは木によってなぜ紅葉の色が違うのか。良いケヤキの見極め方を紹介! | 【林業】株式会社あしだ(公式)


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