レンズの検査員の適応能力の話

深山祖谷山を聴いてきました(第2章) 若い頃の話
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学生の頃、ミノルタカメラ(現ミノルタ株式会社)に工場見学に行ったことがあります。 そしてそこで大変興味深い話に出合いました。 レンズの検査員の話です。

カメラに使用されるレンズは(当然ですが)傷があってはいけません。 したがって傷がつかないように注意して製造されます。 しかし完璧にはいきません。 どうしても不良品が混じるため、加工工程の最後に品質検査が行われます。

その検査は目視で行われていました。 鍛え上げられた確かな目を持った検査員が、私たちには分からないような小さな傷も見つけ出すのです。 実際、不良レンズを見せてもらいましたが、私にはまったくきれいなレンズに見えました。

馬と象のイラスト

驚いたのはここからです。 と言うのは、こんな私でも、1か月見続けていれば見えない傷も見えてくると言うのです。

えっ、たった1か月で? とも思いましたが、見えない傷を眺め続ける1か月は想像するだけでぞっとします。 そして、見えなかった傷が見え始めるという人間の適応能力の高さにも感心します。

そう言えば、昔、子供がテレビゲームをやる姿にもびっくりしたことがあります。 我々大人は、次は何が来る、その次は何、と考えながらプレイしますが、彼らは感性でやっています。 そして、人間業とは思えないような高度な操作で、とてつもない難所をすいすいクリアしていきます。 ものすごい適応能力です。

そう考えれば自転車乗りも同じでしょうか。 乗り始めはあんなに苦労したのに、今は何も意識せずにすいすい乗れます。 長い間乗っていなくても大丈夫。 体が乗り方を覚えています。 不思議です。

話を戻します。 そんな人間の適応能力の高さに初めて驚いたのがミノルタカメラでした、と言う話なのですが、この話にはまだ続きがあります。 1か月経って見えない傷が見えるようになったこの検査員、まだ一人前ではないというのです。

馬と象のイラスト

と言うのは、目の感度はその後も更に上がり、見えなくてもよい傷まで見え始めるからだそうです。 問題ないレンズまで不良にし始めます。

かくして、その検査員、そこからの2か月、見えてはいけない傷が見えなくまで長いトレーニングが続きます。 不良とされたレンズはすべてベテラン検査員が再確認し、良品としてよいレンズがあれば再びその検査員に戻すのです。

そして今度は、傷のあるレンズを眺めながら、「この傷は見えなくてよい、見えなくてよい」と自分に言い聞かせます。 しかし急に見えなくなったりはしません。 それどころか、目は更に進化を続け、誤った不良品がどんどん増えていくそうです。

しかしそれも1か月まで。 2か月目に入った頃から誤りの数が減少し、2か月目の終わり、すなわち最初に検査のトレーニングを始めてから3か月後には、見えなければならない傷だけが見える一人前の検査員に育つというのです。

なんという適応能力でしょう。 進化だけでなく退化にも適応できる。 すごいですね。

さて、ここからが本題。 深山祖谷山を歌ってくれた人たちのコンサートが今年もあって、そのイベント告知をする予定でした。 そしてそのための前振りとしてこの話を書き始めたのですが、長くなりすぎました。。。

時間がなくなってしまいましたので、今週はとりあえずアイキャッチ画像と呼ばれる冒頭の写真にだけ関連情報を採用し、本題はまた来週書かせていただきます。

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