大歩危・小歩危の景色の眺め方(両岸の岩の筋の話)

大歩危・小歩危の景観 観光サイト
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先週のブログ ”藤川谷妖怪遠足(イベント告知)” で藤川谷の景色について書きました。 藤川谷にはもうひとつ面白いものがあるので、本日はそれについて書いてみます。

藤川谷/三段淵

この写真は先週も載せた ”三段淵” です。 先週は春のものでしたが、今週は秋の写真を載せてみました。 紅葉したモミジと渓流のコラボが大変きれいです。

右の岩の上に、小さい緑色の物体が見えますが、これはカッパのオブジェです。 心がきれいな人にしか見えないそうです。 ここは妖怪ロードの入り口にも当たるので、子供さんへの掴みとして置かれているようです。

さて、この三段淵ですが、景色だけに満足して通り過ぎてはいけません。 もう一つ面白いものがあります。 谷川の両側の大きな岩です。 これを拡大して見てみてください。 筋があるのがわかりますか。

この筋の方向、両岸で同じです。 それは何を意味するか?

同じ岩盤であることを意味します。 一枚の岩盤の溝を水が流れているのです。 水が岩盤を砕いて流路を作った、と言う方が正しいでしょうか。

もちろん水圧で砕いた訳ではありません。 洪水で流されてきた石や倒木がぶつかって岩盤を削っていったのです。 雨が降ると、この谷川はそれくらい威力ある川に変身するということです。

大歩危

ここで視線を吉野川に移します。 上の写真は藤川谷が流れ込んでいる辺りの吉野川です。 ここから下流側(左側)が大歩危・小歩危になります。

背斜構造と言って、大歩危・小歩危の岩石にも斜めの筋が入っていることが知られています。 そしてここでも筋の方向は川の両岸で同じです。 大歩危・小歩危内のどの場所で同様です。

これは何を意味するか? 三段淵同様、大歩危・小歩危においても岩盤を破壊して吉野川が流れていると言うことです。

大歩危・小歩危は8kmに及ぶ渓谷。 もちろんこれを一気にぶち抜いた訳ではありません。

この地は海底から隆起して出来ているのですが、その隆起速度に対して、川の侵食が速かったということです。

ここでもう一度三段淵を思い出してください。 大歩危・小歩危も三段淵程度の隆起の状態だった頃があったはず。 そしてその頃からすでに吉野川も存在していました。

大歩危・小歩危はその状態から更に少しずつ隆起し始めます。 しかし川の流れを遮る迄には至りません。 暴れ川で有名な吉野川が石や倒木の力を借りて岩盤を削っていきます。 一方、川が流れていない両岸はどんどんそそり立って行きます。

こうして、両岸に巨岩がそびえ立つ大歩危・小歩危の景観が出来上がった訳です。 

大歩危・小歩危の景観

この地が海底にあったのは1億3000万年前。 恐竜が地球上を闊歩していた頃です(恐竜が生きていたのは2億3000万年前~6600万年前)。 人類はまだ誕生していません(人類誕生はわずか20万年前)。 そして300万年ほど前に隆起が始まります。 恐竜絶滅のだいぶん後です。

大歩危・小歩危を眺める際は、このような太古からの地殻変動についても是非イメージしてみてください。 壮大な歴史のロマンを感じることができ、この地への旅がより印象深いものになると思います。

そして両岸に見える同じ方向の筋がそのロマンをより現実的なものにしてくれます。

※参考までにですが、隆起よりも川による浸食の方が速い吉野川のような川を専門用語では先行河川せんこうかせんと呼びます。

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