昔、仕事を一緒にしていた同僚に、100万円の絵画を買った女性がいます。
「金持ちぃ~」。 私が冷やかします。 すると彼女は答えます。 「単なる価値観の違いですよ」。
「えぇ~、でも100万だよ!」。 私が言い返します。
「やれやれ」と言った体で彼女が答えます。 「白毛馬さんはいくらの車に乗ってるんですか?」。
「ん? 300万だけど」。 私が答えます。
「私は100万円の車に乗ってるんです」と彼女が言います。 「100万の車でもちゃんと走りますよ」と言い、「白毛馬さんはなんで300万もする車に乗っているんですか?」と訊いてきます。
??? 躊躇している私に彼女がとどめを刺します。
「私から見て価値のない200万を白毛馬さんは使った。白毛馬さんから見て価値のない100万を私が使った。私がもう1枚100万の絵画を買ってもまだトントンですね」。
ぐぅの根も出ませんでした。 自分の硬直した価値観を恥じました。

話はだいぶん遡りますが、私が会社に就職したのは大量雇用の競争社会。 全社一丸となって同じ価値観に突き進むことが美徳とされました。 同期入社は1,500人。 テレビからは連日「にじゅ~、よじかん、はたら~けますか?」という栄養ドリンクのコマーシャルが流れていました。
私達は働きました。 働いて働いて働き抜いて、結果も付いて来てると思っていました。
例えば、私がいた半導体業界。 世界売上ランキングで日本企業が3位までを独占していました。 ベスト10を見ても6社入っていました。 世界時価総額もトップ10に日本企業が8社、ベスト30までなら21社入っていました。 円も強く、1ドルは80円代でした。 ”ジャパン・アズ・ナンバーワン”という書籍まで出版されていました(しかもアメリカ人から)。
私達はこれを実力だと思い、わき目も振らぬ勤勉さの成果だと思っていました。
そしてバブルがはじけました。 若い人たちの気質も変わり、ゆとり教育を受けた価値観の異なる若者達が入社して来ました。 我々は強い日本を取り戻そうと躍起になり、若者の再教育にも奔走しました。 我々の価値観で塗り替えようとしていたのです。
それから暫くして新入社員の雰囲気が再び変わりました。 大変しっかりした若者が増え始めました。 ちゃんと勉強もしています。 意欲もあります。 視点も高いです。 明らかに潮目が変わったと感じました。 当然、価値観も我々とは全く違います。
我々は勝つことが目的、競争相手は敵でした。 しかし、彼・彼女たちは違います。 自己の成長が目的で、競争相手は仲間のようです。 共感し、切磋琢磨し、ともに成長する仲間。 そういう風に感じます。
加えて、自分の考え方や行動に囚われも制約もありません。 自由で柔軟、そして伸びやか。 信じた方向に脇目もふらず邁進します。
ひと昔前なら、アホか!と一蹴されました。 こうしなさいと強制もされました。 しかし彼・彼女らはそうなりません。 時代の違いもありますが、ちゃんと結果を出すから、とも思います。
スポーツ界をみるとよくわかります。 例えばサッカー。 例えばラグビー。 例えば大リーグ。 昔ならあり得なかった分野で日本人が活躍しています。 世界で、です。
YOASOBI、Ado、Perfume。。。 音楽業界も同様です。
代表格は大谷翔平選手。 彼の発想や行動には凝り固まった固定観念はありません。 敵も味方もありません。 あるのは、野球への思い、信じた道、仲間や家族、そんな感じでしょうか。
今やってるミラノ・コルティナ オリンピックを観てても同様です。 いまの若者たちは重圧にも正しく向き合い、ここぞと言う時にちゃんと結果を出します。 しかし負けたら負けたで相手を心から祝福しています。 交流が多い最近の若者にとってそれは仲間の優勝。 心底嬉しいようです。 なんと美しい。
映像の中だけではありません。 そんな頼もしい若者は身近にもいます。
もう一人のK君です。 最近、雑誌に載りました。 是非読んでみてください。 こちらです。 これを読めば、ここで私が言っていることを実感いただけるものと思います。 最近の若者、頼もしいです。
これからは”祖谷に住みたい人が祖谷に住む”。 私は、今後の祖谷を支えてくれるのはこのような人たちだと思っています。 そのためにはまず祖谷を知ってもらう必要があります。 だからこのWebサイトを運営しています。
そんな私にとって、大変うれしい記事でしたので、紹介させていただきました。
【注】ここで記載の”若者”とは実年齢を指すものではありません。考え方が柔軟で、意欲的な人なら、年齢に関係なくすべて若者、と思っています。

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