三好ジオパーク 情報発信拠点”とこじお”(写真集)

大歩危の観光サイト/とこじお 観光サイト
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これまでも何度かご紹介した通り、祖谷を含む三好地区は日本ジオパークの一つに認定されています。本日はその情報発信拠点”とこじお”について紹介します。

とこじおは遊覧船で有名な”大歩危峡まんなか”の建物の地下にあります。下記写真の入り口を入ってすぐの右の階段を降り、船乗り場の方に向かってください。

大歩危峡まんなか

すると下のような”船のりば”という大きな看板があります。その看板を無視してまっすぐ進みます。すると奥に”とこじお”と書かれた入口が見えます。そこです。

とこじお入口

とこじおに入ると立体地図と展示案内があります。

ここで立体地図に赤字で示したA、A’にご注目ください。両者を結ぶ線上に溝が続いているのがわかりますか?

これは”中央構造線”と呼ばれるものです。世界最大級の断層です。そしてこれが三好ジオパークと大きく関係しています。

とこじおではその概要が紹介されています。写真で”入口”と書かれた赤字部分から左に進み、後は右回りで展示物に沿って歩いてみましょう。

まず下の写真に行き当たります。先ほど述べた中央構造線が赤で示されています。水色は吉野川を表しています。

ここで吉野川が中央構造線と交わる辺りに注目ください。 北に流れていた川が東に向きを変え、中央構造線に沿って進み始めます。

昔はそのまま北に流れていたのですが、断層(中央構造線)の北側が隆起して川の流れを変えました。 300万年前の話です。讃岐山脈の誕生です。

そしてそれによって香川県は水不足で苦しむことになり、徳島県は吉野川の氾濫に悩まされることになります。それが香川がうどん、徳島県が藍で栄える原因ともなります。

その因果関係についてはとこじおにてご確認いただくとして、この流路変更が香川県と徳島県の運命を変えました。 そのためここは運命の曲がり角と呼ばれ、三好ジオパークの大きなシンボルの一つになっています。 

上の写真は三好地区の地質を表したものです。 地質図。いやですね。拒絶反応が起きます。

が、細かく見る必要はありません。ラフに眺めてください。

中央構造線と書いている赤い線があります。その上側(北側)が①の和泉(いずみ)層群という地質のゾーンです。香川県はこの地質帯です。

次に剣山と赤字で書いている辺りを見てください。この辺りが④の北部秩父帯と呼ばれるものです。

それ以外の真ん中の広い部分、具体的には中央構造線から下側すべて(ただし剣山周辺を除く)が③の三波川コンプレックスと呼ばれる地質帯です。

そしてこれら異なる地質では存在する石のタイプもすべて異なります。それが運命の曲がり角の証明に使われています。

上の写真は三好地区で取れる石を並べたものです。左端の2つが①の和泉層群でとれる石、右下の端が④の北部秩父帯でとれる石、それ以外はすべて③の三波川コンプレックスでとれる石です。

④でとれる石が③で見られることは普通にあります。吉野川やその支流の祖谷川は③の中を流れていて、祖谷川の源流は④の剣山にあるからです。③の川に剣山から流れてきた石が混じっていても何の不思議もありません。

しかし剣山で取れる石が①(香川県)に存在していたらどうなるでしょう?

色々な可能性が考えられたみたいですが、結局は前述の運命の曲がり角説に軍配が上がったようです。石の並びや向きなども勘案し、吉野川が流れていたことが証明されたようです。

次はここ、傾斜地農法ならびに農産物のコーナーです。階段にあがって傾斜地での畑作業を疑似体験もできます。

ここで奥の写真をみてください。土あげという作業をしているところです。

傾斜地では土がどんどん下に落ちていきます。なので定期的に土を上にあげる作業が必要になります。

そのため”さらえ”と言う専用の農具も考え出されました。歯が5~6本あり、鍬の角度が急です。これにより大量の土を下から上に掬い上げることができます。反面、大変な重労働でもあります。

下の写真はお茶や雑穀と言った傾斜地農法で栽培される穀物です。その中の一つ”タカキビ”でほうきも作られていました。それが右端のものです。

最後のコーナーでは”大歩危からわかるつながり”について紹介されています。

私の推しは”キシツツジ”です。岩だらけの大歩危に可憐な花を咲かせます。岩なので栄養素はないです。夏はガンガンに熱くなります。定期的に洪水も襲ってきます。

しかしキシツツジはここで生き続けています。それには秘密があります。是非とも、とこじおにて解明してください。

とこじおについては以上ですが、ついでに2つ番外編を紹介しておきます。

上の写真、岩盤のえぐれたところに石が入っているのわかりますか? これはポットホールといって、くぼみに入った石が出られなくなったものです。

洪水の際はこの石が溝の中をガラガラガラガラ回ります。すると溝が更に大きく深くなります。きれいな円を形成している場所もあります。

とこじおに続く廊下からはこのようなポットホールを何個も見ることができます。是非探してみてください。

もう一つは上の写真です。

先ほど”船のりば”と書いた看板がある写真を掲載しましたが、その船のりばにいく階段の最上部です。ここまで吉野川の水が増水したことを示しています。

この位置を覚えておいて反対側から窓の外をご覧ください。想像を絶する水位の上昇です。

以上、とこじおの説明でした。

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