私の住む祖谷は三好という市の中にあります。平成の大合併で一緒になりました。
そしてその市の市長さん、大変面白い、というか、素晴らしいというか、とても個性的な方なのでちょっと紹介します。
全国1,741市区町村のうち47か所にしかいない女性市区町村長の一人でもあります。
まずはとにかく元気です。 市内の行事やイベントにはことごとく顔を出してくれます。 どうやって見つけたんだろう?と思うような小さなイベントにも参加します。 片道1時間以上の山道だろうと、既にイベントが終わりかけていようと、めげることなく車を走らせて駆けつけます。
「公務もたくさんあるだろうに」、「どんどん仕事が溜まって行ってるのでは?」、「夜はちゃんと寝ているのだろうか?」など、ついつい心配してしまいます。
しかしいつもニコニコ元気いっぱい、弾けるような笑顔です。
政治家だから? しかし作られた笑顔には見えません。 根っから楽しんでいる感じです。 そしてそのキャラと発信力で人の心を鷲掴みにします。

例えば、雪合戦四国大会。 毎年祖谷で開催されます。 そして寒い戸外での開会式。 最初に市長が挨拶します。 なぜかうさぎ耳のニット帽をかぶっています。 そして第一声。 「こんなんですけど市長です」。 みんなずっこけます。
そして空気が一変します。 寒空に笑い声がこだまし、皆さん次の言葉に聞き耳をたてます。 退屈な開会式がトークショーに変わり、一気に会場が和みます。 緊張の四国大会が楽しい雪合戦に早変わりする訳です。
普通の市長さんなら挨拶(仕事)が終わるとそそくさと去って行くでしょう。 あるいは主賓席に留まっても気が付いた頃にはいなくなっているでしょう。
しかしこの市長は違います。 最後までいます。 しかも選手として参加もします。 ?歳とは思えない身のこなしと正確な投球でバッタバッタと敵も倒します。
聞けばソフトボール経験者だとか。 見てください、このフォーム。 カメラに目をやる余裕すらあります。


頭脳も明晰です。
例えば三好地区は昨年日本ジオパークに認定されました。 その審査会の席。 「三好地区は人口減少が著しいですがジオパーク活動は大丈夫ですか?」みたいな厳しい質問がありました。
人口減をカバーする妙案を答えないといけない。 「エグッ!」。 見ていた私はそう思いました。 主要回答メンバーも躊躇し、会場はざわつきます。
それを察した市長。 「では、私が」と言う感じで前に出て、「私達は人口減少には屈しません!」。 いきなり宣言します。 みんなびっくりします。 回答が続きます。
要は「そのような制約条件を考慮した上で活動をしていけばいいのであって、制約条件に焦点を当てて右往左往するようなことはありません」という趣旨のことを、大変柔らかく、大変わかりやすく回答されました。
会場は皆さん納得。 質問した審査員も”我が意を得たり”、顔に笑みをたたえ、頷きながら聞いていました。
ここでも皆の心を鷲掴みです。 大変クレバー。 しかもどう話せば相手に届くか、その方法も心得ています。 これはもはや天賦の才? ただただ舌を巻くばかりです。

さてその人口減少ですが、もちろん無策でいる訳ではありません。 三好市のホームページでも ”移住者専用ページ” を用意し、移住、就職、起業、住居、子育て、教育など多方面で支援制度が用意されています。
移住者を増やすには市自体に活力と魅力も必要です。
その方策として、ジオパークはもちろんのこと、林業アカデミーの開校、CO2排出権利用を目指した九州大学等との提携、ベンチャー企業”パンクチュアル”誘致によるふるさと納税強化など、大変精力的に市の活性化に取り組まれています。
観光資源、森林資源、文化的価値。。。 あらゆる資源と価値を掘り起こし、なるほどと唸るような施策を次から次へと打ち出してきます。
が、それだけではまだ片手落ち。 仏作って魂入れずでは意味がありません。 市民の盛り上がりが必要です。 どうするか?
市長が身を粉にして走り回るのです。
まぁ、そんな意図ではないと思いますが、結果的にそうなっていると思われます。
何だこの人は? なんか馴れ馴れしいぞ? でもなんか面白い。 そして話しやすい。
気が付くと市長のペース。 頑張って三好市をよくしていこう! だんだんそんな気にさせられます。
移住はとにかく大変。 決断が必要です。 仕事、アクセス、生活のしやすさ、子供の教育。 色々考えることもあります。
しかしこれら同様に欠かせないのがその地の”人”の存在。 そこにどんな人がいるか? 信頼できるか? 頼れるか? 支援してくれるか? そんな人の存在が重要です。
祖谷であれば、私や仲間たちでサポートできます。 しかし三好市全体となるとそういう訳にはいきません。 そんなことを考えていたら、市長のことを思い出しました。 そしてこの記事を書きました。 どんな人が市長をやっているか? 当たり前ではありますが、移住を考える上で大変重要です。
市長の名は”高井美穂”と言います。 是非ググってどんな人か見てみてください。 経歴も凄いですよ。
以上ですが、ついでに雪合戦の補足も少し。今年度も来る1月24日(土)に開催されます(詳細はこちら)。
腕に覚えのある方、市長を一目見たい方、市長と話をしてみたい方、是非ご参加ください。 このブログ、市長にも送っておきますので、「ブログ見ました」を挨拶代わりに使ってもらえればきっといきなり本題に入れます。


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