皆さん、昔の日本では、”ものを食べる行為” は、あさましいと考えられていたってご存じですか?
そして、しゃもじ、ひもじい、など、食事に関する言葉に”もじ”という文字が残っているのは、その名残りらしいです。 漢字学者の阿辻哲次先生がおっしゃっています。
(注)この記事のネタがこの本に書かれている訳ではありません
まず ”しゃもじ” ですが、室町時代に天皇や貴族に仕えた女房たちの言葉に由来するそうです。
昔しゃもじは ”杓子” と呼ばれていたそうです。 水を撒くときにもっぱら使うやつです。
しかし実は杓子は、液体、粉末、食料などを掬う道具の総称らしく、ご飯を掬う ”しゃもじ” も昔は杓子と呼ばれていたようです。
しかし食事はあさましい行為。 皇室や貴族などやんごとなき人々に仕える女房たちには どうしても ”杓子” とストレートに呼ぶことができませんでした。
それで ”しゃ” という ”文字” で始まるもの と言う意味合いで ”しゃ文字” と呼んだのが今に繋がっているそうですよ。
”ひもじい” も同様とか。
当時は空腹を「饑し」と言っていたそうですが、貴族に仕える女房たちはやはり「お腹がすいた」ことを口にするのは憚られたようです。 かと言って、どうしても空腹を伝えたい時もあります。
そんな時は、”ひ” という ”文字” ではじまる状態、すなわち ”ひ文字” と言う遠回しな表現を用いていたそうです。
それが江戸時代後期に形容詞として使われ始め、身分を問わず誰もが普通に「ひもじい」と言うようになったのだそうですよ。
更に、京都の方言で「おすもじ」という言葉があるそうです。
”す” という “文字” で始まる食べ物、すなわちお寿司を指すそうですが、今でも寿司のことをこう呼ぶ女性が京都ではたくさんいらっしゃるとか。
本当でしょうか? 確認してみました。 こんな時に便利な ”方言図鑑” なるものがあります。 先週紹介した ”なぞなぞ図鑑” と姉妹サイトです。
ありました。 ”おすし” のこと、とあります。 「おすもじ作りましたさかい、おあがりやす」という例題付きです。
方言図鑑
日本各地の方言が地域別や言葉別でまとめられています。
方言に関する興味深いコラムもありますよ。
ちなみにですが、”ものを食べる行為” があさましいと考えていたのは日本全体の文化らしく、バスや電車の中を始め、人前での飲食が行儀悪いとされるのはその名残りらしいですよ。
話は変わりますが、先ほど紹介した方言図鑑。 当然ですが、徳島版というのもあります。
前述の「饑し」ですが、祖谷では ”ふだるい” と言います。 少し似てますね。 そして方言図鑑徳島版にも乗っているか確認してみました。
ありました。 が、”ひだるい” で載っていました。
他にも、いがる(叫ぶ)、いそしい(豆な)、どくれる(拗ねる)などの祖谷の方言も載っています。 何やら県南地区と共通点が多いようです。
えてがわるい(都合が悪い)、おとどい(兄弟)、かつえる(飢える)なども載っていました。 こちらは高知県版でした。
県南も高知も山の稜線を反対側に下ったところです。 昔の交流の名残りが方言という形で残ってるのでしょうかねぇ?

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