以前、ヤツマタ(シコクビエ)が謎多き幻の雑穀であることを書きました。 その後、祖谷雑穀生産組合なるものと関わり、幻の雑穀ヤツマタについて聞いていますが結構大変そうです。
まずヤツマタはよく寝るそうです。 寝ると言うのは倒れるという意味です。
当然ですが倒れるとうまく成長しません。 実付きも悪くなります。
なのでヤツマタが寝たら起こして回る必要があります。 5~6把ずつ束ねて紐で縛っていくのです。 なかなかの重労働です。
この重労働は何回も必要になるそうです。 ヤツマタは、6月に苗を植え、10月に収穫します。 台風シーズンを挟みます。 台風が来るたびにお眠りになります。

対策はないのでしょうか? 実は、あります。 肥料を控えるのです。
肥料を控えると生育が悪くなります。 すると背丈が伸びず倒れにくくなるのだそうです。
しかしそれでは実入りも悪くなります。 もうちょっとだけ肥料を足そう、などとやると、今度は伸びすぎて倒れます。 ちょうどよい塩梅が難しいのです。
天候にも左右されます。 天候を予測しながら、土の状態も見ながら、これ位かなぁと言う感じで最適解を探すそうです。 とてもじゃないけど素人には無理そうです。

ヤツマタは収穫も大変です。 別名シコクビエ。 1反に4石穫れるのが由来らしいです。 たくさん収穫できるという意味です。 それ故に貴重なタンパク源として重宝されました。
が、一斉に実が付くわけではありません。 1か月に渡って、ダラダラダラダラ実が入るそうです。
なので稲のようにコンバインで一斉収穫という訳には行きません。 花柄摘みのように穂先の様子を伺いながら、実入りのよいものを収穫していく必要があります。 非常に手間がかかります。

と言うことで、育てるのも、収穫するのも苦労が多いヤツマタ。 その分、美味しいのかな?と思いきや、そうでもありません。
むしろパサパサして不味いです。 なので大量には食せません。 昔はそのまま団子にしていましたが、この食べ方は現代人にはまず無理。 口には合いません。
では、栄養価が高いのでしょうか? それは確かに言えます。 こちらにも書いた通りです。
しかし飛びぬけて高い訳でもありません。 代替食品はいくらでもあります。 なんだったら、サプリで補うことも可能です。

段々訳が分からなくなってきます。 幻の雑穀と言われる所以もよく理解できます。
育てるのも大変。 収穫も大変。 その上不味くて、代替品もある。 そんなもの、必要でしょうか?
栄養は摂れればそれでよい。 安価な方がよいに決まっている。 簡単に作れればさらに良い。 大量に作れれば尚更良い。
そんな価値観で語るなら不要でしょう。
しかしそんな考え方一辺倒だと世の中どんどん単一化されます。 味気のない社会にもなりますし、ちょっとしたことで崩壊する危うさも秘めていきます。 それはこちらでも書いた通りです。
そんな社会に抗いたいと言う人、是非続きをお読みください。

実はもう少し柔軟に見て行けばヤツマタも結構捨てたものではありません。
例えば食感。 プチプチしていて、ご飯に混ぜて炊くと、食感が変わります。 ねっとりするはずのご飯が軽やかに仕上がります。 そして栄養価も上がります。
粉にしてクリームシチューに入れるのもよいです。 小麦粉の代わりに用いるのです。 ザラザラ感が残って何ともいえない食感に変わります。 味に深みが出てコクも増します。
紫色なのでおしゃれにも見えます。 大福餅の生地に混ぜれば淡く紫色に染まります。 他の食材にはない色合いです。 しかも健康的。
うまくプロモートすれば十分ビジネスになりえるように思います。

実は祖谷には ”祖谷雑穀生産組合” なるヤツマタ保存組合があります。 祖谷では絶滅しかかっていたヤツマタ。 過去10年の活動で何とか祖谷在来種の保存に目途が立ちました。
次の問題は高齢化。 現在の路線を継続するだけでは未来がありません。 必ず途絶えます。 なので新たな取り組みで流れを変える必要があります。 商品化と持続可能な生産力の確保です。
方法はあると思っています。 例えばですが、カフェです。
祖谷では観光客に対するカフェが圧倒的に不足しています。 新たに開けば開くだけである程度の収入が見込めるほど枯渇しています(と思っています)。 しかし単にカフェをやるだけでは芸がありません。 大きな成長も見込めません。
そんな成長の糧としてヤツマタを活用しては?と思っています。 ヤツマタ入りスイーツです。
独特な色合い、独特な味わい、そこに祖谷とヤツマタの関係性など上手にストーリーとして添えられればたぶん観光客は大喜び。 SNSで拡散してもらえればちょっとした話題になるのも夢ではありません。
更に世界農業遺産や伝統的建造物保存地区の話など、文化遺産指定地域での栽培品であることもプロモートしていけば、ちょっとしたブランド品にもなるかも知れません。 そうなればネット販売による収入増も可能です。
生産の方は大丈夫か? これもプロモーション次第と思います。 体験型農業などと銘打って上手にPRすれば、働き手を確保しつつ、ヤツマタスイーツファンの更なる拡大も可能と思います。
と言う感じで、一度考え出すと空想が止まらない私。 でも万が一、ちょっと真剣に考えてみたいという方がいらっしゃったらお問合せ欄からコンタクトください。
いきなりは無理ですし無謀だとも思います。
まずは植え付けや収穫体験などから入り、イメージが出来たら次に行くなどの段階を追う必要があるかと思います。 その前にヤツマタツアーが必要であればそれも私が受け付けいたします。 結果、観たものをインスタに流すだけに終わっても結構です。
いずれにしてもこの話、まだ誰も始めていない今がチャンスと思います。 もしよかったらコンタクトください。 今なら雑穀生産組合に指導や相談に対応できる人材が残っていますし、私も得意のお節介力を発揮するつもりをしています。
※祖谷雑穀生産組合には外部に向けた公式な窓口もWebサイトもありません。なのでお節介な私が仲介を試みようとしている次第です。

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