AIって人間をものすごく賢くした感じ?

AIと宇宙のイメージ図 閑話休題
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私はこのブログで時々AIについて悪く書いています。 が、決して否定派ではありません。 むしろ結構な肯定派です。 実際、日常生活においても生成AIなどフル活用しています。

では、なぜAIを悪く書くのか? 実は悪く書いてるつもりはありません。 それを使う人間に警鐘を鳴らしているつもりでいます。

すなわち、「依存しすぎては駄目ですよ」とか、「間違った使い方をしては駄目ですよ」とか、そういうことを言っています。 ましてや悪用するなど言語道断です。 そしてそれらと同様に、必要以上に怖がったり遠ざけたりするのもダメと思っています。

もうAI化の流れは抑えようがありません。 あがいても無駄です。 だったら、現実を直視し、正しい接し方を模索していくしかありません。 そしてそのためにはAIについての正しい知識が必要と思っています。

と言うことで、このブログでも今後AIとの関わりが深まっていくと思いますので、この辺りでAIとはどんなものかと言う話も入れておきたいと思います。 4年半前までですが、AIに関わる仕事をしていたので、その何たるかは理解しているつもりでおります。

本日はその第一弾。 “AIは人間をものすごく賢くしたもの“ と誤解されている方がたくさんいらっしゃるように思うので、まずはその話からしてみたいと思います。

AIが生成した犬と猫のイラスト

AIを過度に恐れる人の多くは ”AIとは人間の脳みそを無茶苦茶賢くしたもの” と言う風に思っていると思います。 確かに人間の脳の仕組みをモデルにはしていますが、まだまだ人間とはだいぶん違います。

例えば犬と猫の区別です。 皆さんは、何歳位から犬と猫を区別できるようになったか記憶がありますか? たぶん殆どの人が答えられないと思います。 物心ついた頃には既に区別できていたのではないでしょうか?

ましてや、どうやって区別できるようになりましたか?とか、そのために何匹くらいの犬や猫を見ましたか?とか聞かれても答えようがないことでしょう。 「いつのまにか」とか、「自然に」とか、そんな風にしか言えないのでは?と思います。

しかしAIは違います。 犬と猫の区別には何万枚、何十万枚という学習が必要なのです。 学習とは、一枚一枚を絵で見せてもらい、これは犬、これは猫、と言う具合に教えてもらって覚えていくのです。 

驚くほどの枚数ですよね? AIは人間のようの要領がよくないのです。

そして「これはどっち?」と問われたら、たくさん覚えた学習素材の中から一番近い画像を探し出し、そのとき教えられた答えを横流ししているだけなのです。 そこには理解とか知性とかそういう概念はありません。 自信も不安も責任意識もありません。 あるのは単純作業だけです。

AIが生成した囲碁の盤面のイラスト

もう一つ例をあげます。 囲碁です。 私の叔父はアマチュアですが、囲碁で岡山県一になったことがあるほどの腕前でした。 いっとき岡山県の囲碁業界を牽引していたと言っても過言ではありません。

その叔父に質問したことがあります。 「何手先まで読めるん?」。 叔父は答えました。 「先は読めんけど、流れだったら50手100手先まではイメージできる」。

囲碁、ご存じですか? 19×19、すなわち361ものマス目があって、黒と白の石を交互に置きます。

基本的にどこにおいてもよいので、1打目の打ち方は361通りあります。 2打目は一つ減って360通りです。 その次は359通り。 3打目までで361x350x359、すなわち4,665万通りの打ち方があることになります。

更に4打目までだと167億通り、5打目までだと6兆通りです。 たった4~5打で天文学的数字の世界に入ります。

そんな無数の選択肢がある囲碁において、一手毎に50手100手先の流れが頭の中に浮かぶと言っています。 

当然、こう打ったらあぁなる、あぁ打ったらこぅなる、なども考えている訳で、そのたびに様々な手に対する50手100手先までの流れが、オーロラの如く、グラングランと脳の中でうねっていることになります。 凄いことです。 宇宙を感じます。

AIが生成したオーロラのイメージ図

しかし、そんな人間がAIには到底太刀打ちできなくなっています。 人間対AIの囲碁対決がもてはやされたのは今や過去の話。 もう話題にもなりません。 人間では相手にならないので、AI同士が戦う時代にとっくの昔からなっているのです。

”無限” とか、”宇宙” とか言う言葉を連想させる囲碁。 人間が太刀打ちできないAIとは一体どういう風に動いているのか?

底知れず何か深いものをイメージしてしまいがちです。 しかしそれは全く違います。 AIは人間のような脳の使い方はしておりません。 

ではどうしているか? 一打一打、盤面の画像とその時の勝敗を記憶しているだけです。 この画像パターンの時は最終的に白が勝っているとか、この画像パターンでは黒が勝っているとか、そんな感じで覚えます。

後は実践に際して、たくさん記憶した画像パターンの中から、現在の盤面に一番近い記憶画像を引っ張り出してきます。 そして次にどこに打つと勝率が一番上がるかを記憶画像を高速サーチして見つけ出し、その一打を選択しているだけの話です。

やはりここにも知識や知能は絡みません。 想像力についてはそのかけらもありません。 あるのは大変刹那的な単純作業だけです。 それをひたすら繰り返しているにすぎません。

ただし、そのために記憶している画像パターンの数は膨大です。 天文学的数字かも知れません。

AIが生成した工作機械とAIのイメージ図

そんなにたくさんの画像パターンを記憶することって可能なのでしょうか? ちょっと計算を入れてみます。 煩わしい方は読み飛ばしてもらって最後の段落に行っていただいて結構です。

皆さんがお使いのスマートフォン。 データを貯めるためにメモリと言うものが備わっています。 その容量は例えば128GBです。

Gとは ”ギガ” と読み、0が9桁ある数字、すなわち10億を意味します。

Bは ”バイト” と言います。 1か0か、あるいは黒か白か、と言った二者択一の情報が8個まで詰め込まれるという意味です。

と言うことで、128GBとは、囲碁で言うと、白か黒かという情報が128x10億x8=10,240億個、すなわち約1兆個格納できることを意味します。

先ほども言いましたが、囲碁の盤面は361マスです。 そのすべてが白と黒で埋まったとして、361しかメモリ領域を消費しません。

と言うことは、1兆÷361、すなわち皆さんがお持ちのスマホ1台だけでも28億パターンの盤面データが記憶できることになるのです。
※大変荒っぽい計算です。こんなに単純な話ではありませんが大枠はこんな感じです。

AIが生成した人間と環境のイメージ図

更に値段も計算してみます。 128GBではややこしいので50GBでやってみます。

皆さん、写真を撮りすぎてメモリを追加しろと言われたことがあると思います。 その際に言ってくるのが例えば50GBの追加です。 料金はわずか月額130円! そんな料金設定になっていると思います。

この50GBに先ほど同様の計算をします。 50×10億x8÷361=11億です。 すなわち11億パターン分の囲碁の盤面データが月々130円の料金で使用できるということです。 1日換算で5円以下です。 子どもさんのおこづかいでも余裕ですね。

AIが生成した家計簿計算のイメージ図

と言うことで、まとめます。

AIとはこんな感じで動いています。 特に賢い訳ではありません。 信じられないくらいに安価になった記憶容量を大量消費して単純作業しているだけのことです。 だからそこに知能はありません。 当然知性もありません。

ただし、これだけの量のデータをこれだけの短時間で力任せに単純作業できる点は凄いです。 到底人間にはマネできません。

ではどうやってそんなことを実現しているか? その説明を始めると大変長くなりますので、今日のところはこの辺で置きます。

とりあえずは、AIは記憶能力と処理能力が高いだけであって、人間のような知性や想像力を駆使して動いている訳ではないと言うことだけ覚えておいていただければと思います。

なお、繰り返しになりますが、この記事はAIの本質を理解してもらうためにかなり粗削りに説明しています。 正確性は追求していません。 かつ4年半前の状況を基にして書いていることも添えておきます。

それと、蛇足ですが、この記事に掲載しているイラストはすべてAIが作成しています。

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