”乗合バスと徒歩で回る初めての大歩危・祖谷(1泊2日モデルコース)”などで東祖谷歴史民俗資料館見学を推奨しました。 しかし、資料館の具体的な紹介はまだ行っておりません。
と言うことで、今日はその紹介を簡単に写真集でお送りしたいと思います。
全体像
歴史民俗資料館と言う名の通り、ここは祖谷の歴史と民族性を紹介している資料館です。
祖谷の歴史上最大の出来事と言えば ”平家落人の入山” 。 これに起因して、祖谷ではたくさんの落人伝説が残っています。 この資料館ではこれら落人伝説が歴史展示されています。
※平家落人伝説についてはこちら、安徳天皇伝説についてはこちらにもまとめています。ご興味があればご覧ください。
民族性については祖谷の暮らしぶりや道具類が展示されています。 祖谷では葉タバコや雑穀の栽培が盛んでした。 その辺りの展示が特徴的かと思われます。
見学は資料館に入ったらまず左に進み、あとは経路に沿って一筆書きで進むのがよいと思います。 この記事もそのルートで紹介します。
ビデオ鑑賞
と言いつつ、入館して最初に見て欲しいのはビデオです。 係の人に勧められたら是非ご覧ください。 奨められない場合は催促してでもご覧ください。
中身は、アレックス・カーと言う祖谷に大きな影響を与えたアメリカ人へのインタビュー、平家の末裔22代目の奥様阿佐愛子さんによる平家の赤旗の紹介、かずら橋の架け替え職人だった日浦義時さんのお話などです。 これをご覧になって、まずは祖谷全体の雰囲気を掴んで頂ければと思います。
加えて、サラっとしか出て来ませんが、注意してみて欲しいものがいくつかあります。
一つ目は ”ひらら焼き” です。 祖谷の名物料理の一つです。 昔はこんな感じで河原でワイワイ楽しんでいました。 その様子がよく伝わります。
※ひらら焼きの詳細を知りたい方はこちらをご参照ください。
二つ目は ”祖谷の粉ひき節” です。 この方の名、忘れてしまいましたが、大変味わい深い歌い方をされます。 昔の人はこんな感じで歌いながら臼を挽いていたそうで、喉自慢があちこちにいらっしゃったものと思います。
三つめは平家屋敷です。 改築前の屋敷が映ります。 是非、平家屋敷阿佐家も訪れ、屋敷の作りについても見比べていただければと思います。 形状についてはこちらでも簡単に説明しています。
安徳天皇伝説

では展示物の紹介に移ります。 まず最初はこれです。
平家と共に落ちて来られた安徳天皇。当時まだ6歳でした。
なので、幼い、かわいい逸話がたくさん残っています。 そんな話がパネル展示されています。 是非ご覧ください。
加えて、ここではもう一つ見て欲しいものがあります。 パネルを展示に使っているこのでっかい桶です。
なんだと思いますか?

上の写真が桶の正体です(注:この写真は民族資料館にはありません)。
右の方に同じものがあります。ただし上下が逆さま。伏せる形で使用されています。
これはミツマタの蒸し器です。ミツマタとは和紙や紙幣の原料となるものです。祖谷では貴重な現金収入の一つでした。
このミツマタ。 大きな桶に水と一緒に入れて下から火を焚きます。 そしてもっと大きな桶を使って上から蓋をします。 展示されている桶はこのように蓋として使用されていたものです。
ミツマタの加工法についてはまた機会を作って紹介したいと思います。
駕籠

これは駕籠です。しかもただの駕籠ではありません。
平家の末裔20代目の奥様が輿入れされる時に使われたものです。 剣山の向こう、たぶん距離にして70~80km先から、山道を駕籠に乗って嫁いで来られました。 その道中、イメージしてみてください。 この駕籠に味わいを感じ始めます。
なお、この駕籠の話はこちらでも記事にしていますので、興味があればご覧ください。
平家の赤旗

これは平家の赤旗です。大小2旒が残されています。
但し残念ながらレプリカです。 本物は、平家の末裔阿佐家に保管されています。
私は中学生の頃、22代目から本物を見せてもらったことがあります。印象的には展示物と全く同じです。
すっかり色が落ちていますが、色の薄いところは茜、濃いところは紫紺で染められています。
かずら橋絵図

かずら橋の絵図です。ふふん、で終わりそうですが、こういう絵図が重要なのです。
と言うのは、かずら橋はいつからあったのか? それを調べようとすると、絵図が頼りとなるのです。
その昔、わざわざかずら橋を記録に残そうとする人はいませんでした。 しかしスケッチならいろいろ残っています。 そのスケッチがいつのものかを調べると、かずら橋の歴史がわかる訳です。
ちなみに、現在のところ、一番古い記録は ”阿波國図” というものです。 今から約380年前の1646年(正保3年)に作成されています。 この絵図から、この頃、かずら橋が7か所にあったことがわかっています。
唐箕(とうみ)

如何にも宮崎駿監督のアニメに出て来そうなこの木製のメカは ”唐箕” と言います。
右側の丸い部分にハンドルがついているのがわかりますか? 中には羽がついていて、ハンドルを回すと風がおきます。
次に左側上部に大きな投入口があるのがわかりますか? ここから枝から落とした実を入れます。収穫した雑穀を乾燥させ、棒などで叩いて枝から落としたものです。当然枝や葉や藁も混じっています。
最後に左下に排出口が2つあるのがわかりますか?軽いものは遠くまで飛ばれれるので左から出、重いものは右から出て来ます。これを繰り返すことで、実とクズが分離できます。
スイス人を案内した時に、似たようなものがスイスにもあるとおっしゃっていました。 ヨーロッパから渡来したものかも知れません。
たぬきの敷物

これは敷物です。座布団の代わりです。
私が子供の頃は、このような敷物を使っている人がたくさんいました。
懐かしいのでちょっと掲載してみました。 暖かいそうです。
葉タバコ

ミツマタ同様、貴重な現金収入源として栽培されていたのが葉タバコです。写真左側が葉タバコで右側の丸いものは葉タバコを吊るすための縄です。
葉タバコについてはこちらやこちら、こちらなど色々記事を掲載しているのでもしご興味があればお読みください。
雑穀

これは祖谷で採れる主な雑穀を展示したものです。ヒエ、アワ、ヤツマタ、タカキビ、コキビ、ムギの6種でしょうか。
雑穀についても色々記事を掲載していますので興味がある方は是非検索欄に”雑穀”と入れてみてください。とりあえず簡単に知りたいと言う方はこちらの記事がよいかと思います。
車櫃(くるまびつ)

最後はこれです。何の変哲もない櫃のように見えると思いますが、下に車輪がついているのが味噌です。
これは輿入れの時に嫁入り道具を運んだものとも、火事の際に貴重品を持ち出すためのものとも言われています。
いずれにしても。居間の目立つところに置き、大切なものがここに保管されていました。 昔はどこの民家にもあったようです。
おしまい。


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